ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.8 「furnplan(ファーンプラン)」

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ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.8
「furnplan(ファーンプラン)」

 

私がヒュルスタに入った2003年頃は、まだ3Dプランニングソフトがありませんでした。そのため、家具のプランは手書きでパース図面を書き、パーツの価格表を使って、一つ一つ使用パーツを書きだし、エクセルで見積りを作成していました。
出来上がりパースも、手書きで起こしてお客様に説明するので、お客様側にも想像力を駆使していただく必要がありました。

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<各シリーズごとのパーツ価格 Book>

 

ヒュルスタのオリジナル3Dプランニングソフト「furnplan(ファーンプラン)」は、家具をプランニングするfurniture planだからfurnplan。
できた当初は、まだ一部の商品を対象にしたソフトでしたが、パーツを自由に組み替えることができ、その場でスイスイと設計できる、とても画期的なものでした。ただし、スイスイとお客様の前で出来るようになるには、覚えなくてはいけないことがたくさんあります。

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ドイツ本社に行く機会があったとき、このファーンプラン研修をカリキュラムに加えてもらいました。
ドイツでの研修は、基本的にドイツ語で行われます。「グローバル企業を目指すのなら、ここは英語でしょ」と思うのですが、ヒュルスタはシュタットローンという片田舎にある非上場会社ですから致し方ないのかもしれません。
ドイツ語での研修では難しい人のために、英語でフォローアップしてはくれます。しかし専門用語の英語になってくると、かなり頭の中が混乱してきます。
ファーンプランもパソコン用語や建築、デザインの専門知識が加わってきます。それでも「なるほど、これはこんな働きをしているんだ」とか、「えっ、こんなこともできるの?」など、それはそれは便利なソフトだから集中力が持続します。


furnplanの素晴らしいところは、ヒュルスタの商品をプランニングしたものを、3Dであらゆる角度から見ることができること。そして価格やサイズもその場でチェックできることです。

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ヒュルスタは毎年新しい商品を発表します。それでけでなく、定期、不定期に商品の改廃や価格の改訂が行われます。その都度ファーンプランをアップデートすることで、この煩わしさが解消されます。
ただ、ときどきファーンプランは、急に作動しなくなったり、アップデートがうまくいかなくなることが起こります。そしてとうとう本当にトラブってしまったときなどは、ドイツのファーンプランチームに連絡をして、修正してもらいます。
彼らはリモートコントロールで私のPCのシステムに侵入し、あちこちのファイルを開けて不具合箇所をサササっと改善してしまいます。
わざわざドイツまで行かなくても簡単に直せてしまう。本当、便利な世の中になったものです。

※2017年3月31日