Touch on Wood. 木に触れる生活 「森の王様、オーク」

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生ハム好きにとって脂がとろけるように美味しいイベリコ豚。スペインのイベリコ半島で育つブタは基本的にイベリコ豚になります。
イベリア半島に広がるオークの林で放牧され、ドングリを主体に育ったブタにはハモン・イベリコ・ベジョータの表示が付けられます。
ドングリと飼料で育ったブタはハモン・イベリコ・レセボ。
ドングリを一度も食べたことがないブタはハモン・イベリコ・セボ。
でもどちらも同じくイベリコ豚なのです。
知っていました?

今回はドングリが成る木、そう「楢(なら)、オーク」です。

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ヨーロッパでは古代ギリシャ時代から、ナラの雄大な樹形と強い生命力、多くの動植物を育むことから崇敬の対象とされてきました。
特にイギリスでは「森の王様」と尊称されています。
基本的に落葉樹であるナラをオークと呼びますが、常緑樹である樫(カシ)もオークに含みます。
歌舞伎の舞台で大切な効果音の役割をする「ツケ木」、拍子木のようなものですが、これが樫の木でできています。

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硬くて乾いた音が響くために樫を使います。
役者が見得をきるとき、花道をはけるとき、パタンパタンと打つツケの音とシンクロして、とても気持ちのいいものです。

ナラは強度・耐久性に優れ、加工もし易い木材であることから、建築資材や家具、船材などに重用されてきました。

また液体の浸透性が低く、香味成分としてタンニンなどのポリフェノールが含まれていることからウィスキやワインの樽にも使われていることはご存知でしょう。

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このような歴史の背景から、古くはギリシャ、ローマ時代の遺跡からもオーク材の家具が発掘されています。

ナラの木肌は、中程度から荒目の木材で、導管が分かります。
木目ははっきりしていて、柾目には美しい模様として現れます。
またナラには特徴的な模様として、虎斑(トラフ)と呼ばれる虎の斑紋に似た模様があり、これがあるものは装飾性が高いと珍重されてきました。

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旧帝国ホテルをデザインしたことでも有名なフランクロイドライトも、この虎斑のあるオークに魅了された建築家の一人です。

横浜アンティーク家具や松本家具などクラシックデザインの家具は、ヨーロッパの伝統に基づき、ナラを主に使用しています。
私も個人的にはナラの家具が好きです。昔、自分で製作したデスクやダイニングテーブルもナラを材料にしました。

最近の北欧ブームでもナチュラル系の家具は、やはりオークが主流ですね。
そこでインテリアコーディネートのアドバイス
家具をコーディネートするときに一つの材にこだわってしまうと、ガチガチになってとても窮屈な空間になってしまいます。
前回のウォールナットと今回のオークは非常に相性のいい組み合わせです。
フレームにオーク、座面をウォールナットにしたジョージナカシマのウィンザーチェアは有名です。

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これを応用して、ダイニングテーブルをウォールナット、ダイニングチェアをオークにします。
結果、コーディネートする色にゆとりができ、他のインテリアへの汎用性がとても楽になります。(ライノクリエイションにて展示中)
是非試してみて下さい。

ヨーロッパにおけるトレンドも、オークが再び巻き返してきています。
ドイツ、ヒュルスタ社のリビング収納にもオークが使われています。
テレビボードを組み込んだ壁面収納。
ナチュラルなオークとグレーとのコンビネーションがとてもモダンです。
もちろん収納力も抜群です。

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