ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.6 「ファーストライン『hülsta 』は一流品の証」

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ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.6
「ファーストライン『hülsta 』は、一流品の証」


ヒュルスタには、ファーストラインのオーダーメイド「hülsta」と、セカンドラインキャッシュアンドキャリー「now!」があります。
6,000㎡あるドイツ本社のショールームでも、その8割がファーストラインの「hülsta」レンジです。ファーストラインの「hülsta」は、例えばロンドンのビスポークショップが立ち並ぶ、ベーカーストリートにもスタイリッシュな専門店があります。
ファッションと同様に、ファーストラインとセカンドラインをきちんと線引きすることで、ヒュルスタのブランディングが確立されます。
価格においてもファーストラインはセカンドラインの1.5倍から2倍。シリーズによっては、3倍ぐらいの価格差がある、ハイエンドモデルなのです。

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<ベーカーストリートのヒュルスタショップ>


2014年のミラノメッセで発表されたモデルが「GENTIS」。
古材のように特殊なヨーロッパ特許技術で仕上げられた壁付け収納は、超個性的です。
また革張りのボックスはかなり重厚感があり、リッチな雰囲気がぷんぷんしてきます。

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しかも壁との間にLEDライトを組み込むことで、ウォールユニットが浮かび上がるような憎い演出がされています。壁ごと欲しくなってしまう、そんなインテリアです。

 

ここ数年のヒュルスタの戦略は、アンティークな空間に、スタイリッシュでモダンな家具を合わせてみたり、あるいは最先端の吹き抜けの空間に、少しコンサバティブにアレンジしてみたりと、ギャップを楽しむ傾向にあります。

その他のファーストラインの代表格をいくつか紹介しましょう。

「XELO」

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かなりのロングランシリーズです。額縁のようなフレーム枠が特徴。
ボックスシステムの考え方をベースにしています。
ボックスサイズはロータイプのものから、トールのキャビネットまでバリエーションはとても豊富です。そのためリビングからダイニング、ホームオフィスまで幅広くコーディネートできます。組み立て方が特殊で、一回り小さなボックスユニットにフレームの付いた外枠を被せるようにセットします。この構造を知らずに引っ越し業者の方が、外枠のボックスから持ち上げてしまい、これまで何度かアフターフォローをしたケースがありました。しかしこの組み立て方法を知っていると、内側のボックスには持ち上げるためのハンドルも付いていて、移動も意外と簡単なんです。

 

「MEGA DESIGN」

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パネルシステムの考え方をベースにした、こちらもロングランのシリーズ。
パネルの高さは既成サイズでもかなり豊富にありますが、さらにミリ単位のカットも可能です。
吹き抜けの高い天井高の壁にも、勾配のある斜めの壁にも、自由自在にレイアウトできます。このパネルに棚板、引出し、ドア、スライディングドア、はしごなどをセットすることで、機能性や実用性、デザイン性が一段と高まります。
このMEGA DESIGNのパネルシステムの考え方を踏襲しているのが、セカンドラインの「now!time」です。

 

「SCOPIA」

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2013年に新たに加わったシリーズ。
ボックスシステムがベース。厚さの薄い外側のアウトサイドフレームと、内側のインサイドフレームによる2重構造です。扉や引出しなどが、アウトサイドフレームより少し内に入ることで、ユニットのエッジが細く見えるお洒落なデザインとなっています。
外と内のカラーを同じにすることも、変えることもでき、選ぶカラーによっては雰囲気ががらりと変わります。
扉や引出しは全てプッシュトゥオープン。取っ手がないのでとてもスッキリとした仕上りです。ロータイプのボードからトールキャビネットまで、用途によって様々なコンビネーションが考えられます。キャビネットに組み込むLEDライトも、扉の裏側に付けるという画期的なものです。
飾ることが楽しくなる、そんなシリーズです。interior innovation award 2014受賞。

 

「MULTI FORMA」

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常に最先端の技術を取り入れたヒュルスタのワードローブシリーズ。
ヒンジドア、フォールディングドア、スライディングドアと扉の開閉方法は3タイプ。もちろんヒンジドアとフォールディングドア、ヒンジドアとスライディングドアというようなコンビネーションの仕方も可能。壁面いっぱいの大容量のワードローブユニットやウォークインクローゼットが実現できます。
高さや奥行きをカットすることで梁下に納めたり、屋根の傾斜に合わせることもできる、オーダーメイドのフレキシビリティがさすがヒュルスタのファーストラインです。
このMULTI FORMAなら、洋服の片付けも洋服選びもきっと楽しくなります。


本社ショールームを見学するのはとても楽しいです。商品のディテールを細かくチェックしながら、例えば扉に使われているヒンジ金具や、引出しのレール金具はヒュルスタだけのオリジナル金具だったりします。それらを一つ一つチェックしては、写真に撮る。価格と照らし合わせながら、日本での可能性を探る。サイズバリエーション、カラーバリエーション、オプションアイテムなどを担当者に聞いたり、プランニングソフト「furnplan」で確認する。そんなことをしていたら、絶対に2日あっても全然足りない。

2003年の頃は、カメラのメモリーの容量が小さかったので、撮影してはその都度パソコンに保存。そしてまた撮影をする。これを繰り返したものです。


ショールームにはカフェテラスが併設されています。金曜日の午後は、月曜から木曜までで残業していた社員は、40時間労働順守のためみんな帰ってしまいます。だから勝手にコーヒーを飲みながら、ショールームの膨大な写真を整理していたものです。

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<併設のカフェで使われている、アルツベルグ製のヒュルスタロゴ入りカップ>

※2017年3月31日改訂