ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.4 「憎めないキャラクター、ウェーバー」

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ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.4
「憎めないキャラクター、ウェーバー

 

ヒュルスタの年間売り上げは、300万ユーロ。その半分をベッドルームの家具が占めています。
ベッドルームの家具と言えば、ベッドとワードローブ。ワードローブはヒュルスタのシステム収納家具の原点でもあります。デザイン性、機能性、実用性、どれをとっても素晴らしく、私も愛用している家具の一つです。最近のマンションはウォークインクローゼット付といいますが、この機能性も実用性も低い、とってつけた納戸のようなウォークインクローゼットでは、洋服が片付く筈がありません。

そして、もう一方のベッド。ベッドは使い始めてからすでに15年近く経ちました。
ヒュルスタのベッドは、ヨーロッパ特許に裏打ちされたスリープシステムです。このスリープシステムを、ヒュルスタはキール大学と一緒に、研究し、製品化しています。
その責任者がミスター・ウェーバー。人間工学に基づき、眠りを科学しているヒュルスタのスリープシステムだから、ウェーバーの話すドイツ語は、当然専門用語だらけ。スリープシステムの研修では必ず通訳を付けるのですが、通訳泣かせです。
ウェーバーはとても忙しく、滞在中にスリープシステムの講義を聞くために、何よりも優先してスケジューリングしなければなりません。

ドイツ語しか話せないウェーバーですが、行動はとても大胆です。名古屋での商談のために来日したときも、前日ダイレクトに名古屋入りして、翌日東京から移動する我々と、名古屋のホテルで合流なんてことも平気でやってのける。

また、眠りに対して人一倍関心が強いウェーバーは、日本に来たときにどうしても布団で寝てみたいとリクエストしてきたことがあった。そこでウェーバーを旅館に泊め、布団に寝かせたのだが、さすがに畳と布団はこたえたようで、次からはリクエストしてこなくなった。

以前、ウェーバーから聞いた話はとても興味深いものでした。
日本人が硬い寝具で寝たがるのは、日本人の背骨に特徴があるかららしい。背骨と椎間板で構成されているラインの一番下、この腰椎が欧米人よりも小さいため、圧迫されて腰痛になりやすいというのだ。
その腰椎に掛る負担を減らすために、日本人は硬い寝具で寝たがる。ただ、健康な人は硬い寝具で寝る必要は全くない。そしてヒュルスタのウッドスプリングを使うことで、腰にかかる負担を軽減するようにセッティングできるから、むしろ日本でヒュルスタのスリープシステムはもっと売れるようになるはずだ。だから日本人の健康のためにも、頑張って売りなさい。ということだった。
日本で畳の上に布団を敷いて寝たウェーバーの経験が、こうして新しい情報としてフィードバックされる。

 

確かみんなでオランダに視察へ行った帰りのことだったと思う。ヒュルスタはオランダとの国境近くにあり、デュッセルドルフに行くよりもオランダに行く方が断然近い。

シュタットローンのホテルへの帰り道、ウェーバーに屋内カートをやらないかと誘われた。以外にもそれは本格的なカート場で、つなぎに着替えるタイプのものだった。普段ウェーバーは、お世辞にも素敵な車に乗っていない。アウトバーンでは追い越し車線を走ることはないだろうというような車だ。そんなウェーバーだから、私たちは全くノーマークだった。ところがとんでもなかった。ウェーバーは一度もトップの座を譲ることなく、最初から最後までぶっちぎりの1番。
そのときのつなぎ姿のウェーバーは、まさにスーパーマリオそのものだった。

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※2017年3月31日改訂