ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.5 「ショールームは6,000㎡」
ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.5
「ショールームは6,000㎡」
ヒュルスタ本社のショールームは1階、2階合わせて6,000㎡あり、ここで全てのファーストラインの「hülsta 」と、セカンドラインの「now!」を見ることができます。
<ショールーム専用の地図>
ショールームでは、単純に商品が陳列されているのではなく、実際の部屋をイメージしやすいようにディスプレイされています。
デコレーションについても、専任のデコレーターがトレンドを意識してコーディネートしているので、商品の展示方法などとても参考になります。
<照明や小物の使い方など、ヨーロッパの流行以外でも参考になることばかり>
日本のインテリアショップは、比較しやすいからなのでしょう、ソファならソファ、ダイニングならダイニングと、それぞれの商品群ごとに並べているところがほとんどです。一方、ヨーロッパブランドのショールームでは、お客様が想像できるような、住環境に近い展示方法を採用しています。IKEAはその最たる例です。
私が思うに、過剰なデコレーションは商品ディスプレイを台無しにしますが、家具の機能性を効果的にアップさせるためのデコレーションは取り入れるべきでしょう。
例えば、白のガラス天板のダイニングテーブルに合わせる照明は、照度を確保しつつ、素敵に見える高さはどれくらいなのか。そして結果的にシーリングよりも、ガラスシェードの方が断然綺麗に映ります。
ベッドルームにおいても、優しくホワイトで全体を統一しつつも、アクセントカラーで主張することの大切さ。
このようなことをいたるところで発見できます。
もちろん導線や空間における家具のレイアウトも大変勉強になります。
そしてファーストラインとセカンドラインは、その位置付けの違いからデコレーション方法も大きく違います。
その前に、ドイツ人の買い物に対する考え方は、実に効率的です。
日々の日用雑貨は少しでも安いもので抑え、こだわりのものはとことんこだわる。
日本でも人気のIKEA。スウェーデン生まれのこの世界最大の家具販売店は、実はドイツが最大の消費国で、ドイツ国内になんと約50店舗もあります。
日本と同じぐらいの国土に、この店舗数はかなりの数と言えます。
今から20年前、そんなイケアに脅威を感じ、ヒュルスタはキャッシュアンドキャリーのセカンドライン「now!」を登場させました。
<20年前のnow!no.1 livingroom 大きなテレビが時代を反映しています>
それまでヒュルスタは全てオーダーメイドの家具でした。
「今」のトレンドを取り入れ、しかも品質はオーダーメイドラインと同じ。販売店に在庫を持ってもらうので、エンドユーザーは「今」からから使えることになる。このコンセプトから、ヒュルスタのセカンドラインは「now!」と名付けられました。IKEAのキャッシュアンドキャリーと同じ考え方です。
「now!no.1」から始まり、いくつか欠番の番号がありましたが、現在の「now!easy」が15番目。トレンドを反映させているため、新しいシリーズが生まれ、古いものは消えてゆく。その中で唯一ロングランのシリーズが、6番目に発表された「now!time」です。私はヒュルスタのシステム収納の考え方がギュッと詰まった、この「now!time」が大好きです。
<デビュー当時のnow!time 少しもっさりした感じがいがめない>
now!timeはリビング、ダイニング、ベッドルーム、ホームオフィス。あらゆる生活シーンに対応できます。
毎年新たにヒュルスタはファーストライン、セカンドラインに新商品を発表します。その度に6,000㎡あるショールームの4割を展示入れ替えしなければなりません。大変な作業は理解しているのですが、それ以上にどんなモデルが加わるのか。とても楽しみになります。
<懐かしいカタログ。今でもこの家具たちを愛用していただいている方がたくさんいらっしゃいます>
※2017年3月31日改訂