ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.10 「思い出いろいろ」

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ドイツ、ヒュルスタ滞在記 vol.10
「思い出いろいろ」

 

今回の「ドイツ、ヒュルスタ滞在記」を書いていて、そういえばあんなこともあったなあ、こんなこともあったなあと、思い出すことがたくさんありました。
最終話は、そんな思い出をいくつか集めてみました。写真がなく、話だけになってしまって申し訳ありません。


初めてのドイツ出張のときにデュッセルドルフ空港が爆弾騒ぎで閉鎖されていたという事件がありましたが、実は2回目の出張のときも大変でした。
その時のトランジットはアムステルダム。乗り換えの時間は1時間弱。不安は的中するもので、案の定飛行機が遅れ、空港内を走ってはみたものの、乗り換え便に間に合わず。しかも、その日のデュッセルドルフ行きの便は全て終了。そして最悪なのが、何故か荷物だけは先にデュッセルドルフへ。
KLMのカウンターで文句を言ったら、そんなに云うのなら明日の朝一番の便にしてあげますと、早朝6時の便に乗る羽目に。
歯ブラシなどの最低限の身の回りのものを買うためのお金だけを渡され、同じような境遇の人たちと乗合タクシーで、空港近くのホテルへ移動。出張初日がとんだ顛末に。

同じルートでドイツ本社訪問をスケジューリングしていた取引会社の方へは、「時間がないので飛行機を降りるときからが勝負。できればずっと走ってくれ」と。何とか無事に彼らは乗り継ぎできたものの、今度はラッゲージが届かず、着替えなしで丸一日我慢してもらいました。
飛行機の乗り継ぎには時間の余裕が必要だと、実感した出来事でした。


国際運転免許を取得すれば、ドイツのアウトバーンも堂々と走れます。国際運転免許は試験や実地も必要なく、手続きだけで案外簡単に取得できます。日本では出せない、時速200km/hオーバーを体感できたのはとても貴重な体験でした。その一方で、忘れられないもう一つの体験をしました。

冬にドイツ滞在したときのことです。ヒュルスタのあるシュタットローンは、日本でいうところの北海道みたいなところ。もちろん雪が降ります。
オフの日に、少し遠出をした帰り道の夜。怪しい雲行きだったのが、あっという間に猛吹雪に。アウトバーンでの視界は20m先の車のテールランプがやっと見える程度。標識もほとんど見えず、轍とテールランプだけを頼りに、猛吹雪のアウトバーン走りました。正直生きた心地がしなかったです。

こんなこともありました。日本からのお客様の滞在最終日。折角なので、一緒にケルンとデュッセルドルフを観光しましょうということになりました。日曜日ということもあり、営業しているレストランややショップはかなり限定されていましたが、美術館や博物館を巡り、それなりに楽しむことができました。
最後の夕食をみんなで楽しく取ろうと、車を駐車場に入れたところまでは良かったですが、帰るときになって、大変なことが。何と駐車場がクローズしているではないですか。
「まさか、このまま朝まで開かない」
日本からのお客様は、明日の朝の便で帰らなければならない。しかも車の中には普通は入れて置かないだろうという大切なものまで入れてしまったという。
結局、駐車場の管理会社に連絡し、担当者を呼んで車を出してもらい、笑い話で終えることができましたが、これにはかなり焦りました。


最後に私が個人的に感じたドイツ人の印象はというと、
真面目。
勤勉。
誠実。
だから納期が遅れるとか、ものを頼んでも放っておかれるとかはあまりない。クレームに関してもきちんと対応してくれる。


しかし一方で、
頑固。
プライドがものすごく高い。
自己主張が強い。
オンとオフをきちんと線引きする。

だから自分たちの非はなかなか認めない。自分の意見をはっきり言うから、ときに喧嘩してるんじゃないかと勘違いしてしまいそうなことさえある。でも遺恨は残さない。
夏休み、クリスマス休暇をそれぞれ3週間とか取るので、本人からの回答がこないことが多々ある。ただ日本のように担当者がいないと分からないということがなく、業務の引き継ぎはできているので、別のスタッフからきちんと回答が届く。

ヒュルスタの日本支社を切り盛りしていた頃の私は、そんな彼らとの交渉に疲れてしまうことが日常茶飯事でした。
しかし真面目でプライドが高いドイツ人だからこそ、ヒュルスタのような良い製品が生まれるのだと思います。
ドイツ製品は、例えばイタリアの製品と比べて、少し野暮ったいところがあります。しかしそこには使う人のことを考えた機能性と、いつまでも安心して使える品質の高さが備わっているからなのです。
私もヒュルスタの製品を長年愛用しています。だから、皆さんにもヒュルスタ製品をお勧めします。

 

このヒュルスタ滞在記を書いてきて、またいつかヒュルスタを訪ね、懐かしい面々と再会できる日が来たらなあと願っています。

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※2017年3月31日改訂