Touch on Wood. 木に触れる生活 「突板・パーティクルボード・MDF」

f:id:rhino-blog:20070928152416j:plain


「Touch on Wood. 木に触れる生活」の最終回は「突板」「パーティクルボード」「MDF」です。
これまで紹介してきましたナラ、ウォールナット、ビーチなど無垢材としてよりも突板として家具に使われることの方が多いです。
突板というのは原木を大きなカンナのようなもので薄くスライスしたもので、厚さは0.2~0.6mmの非常に薄いものですが、これをパーティクルボードやMDFに貼ることで、まるで無垢材のように見えるのです。

f:id:rhino-blog:20081004082353j:plain

『つるんとしている部分がMDF、チップが見える部分はパーティクルボード』

ではこの「パーティクルボード」と「MDF」は一体何でしょう?
「パーティクルボード」はヨーロッパでは「チップボード」と呼ばれ、廃材や間伐材などの木材資源を有効活用するために、細かな小片状(パーティクル)に裁断し、接着剤で一定の面積と厚さに熱圧成形したボードです。
ここで使われる接着剤に含まれるホルムアルデヒド放散量により「F☆☆」、「F☆☆☆」、「F☆☆☆☆」に分けられます。
ちなみにこれは日本工業規格(JIS)によるものです。
もう一つの「MDF」とは、「Medium Density Fiberboard」、中密度繊維板の略称で、木材を小片よりもさらに細かく、繊維状にまで解繊し、接着剤を加えて熱厚成形したものです。
MDFの優れた点は、裁断面のきれいさにあります。パーティクルボードでは木小片がバラバラとなってしまいますが、MDFは繊維状のためそれがありません。
そしてパーティクルボードとMDFは突板を貼るだけではなく、塗装仕上げもあります。
マットなホワイト、ブラック、グレー、サンド、ブラウンブラック、そしてハイグロスの鏡面仕上げ。
これらの塗装仕上げはウォールナットやオークなどの木とのコンビネーションがとても素敵です。

f:id:rhino-blog:20140603193056j:plain

ウォールナットとハイグロスグレーとのコンビネーションのサイドボード』


ヒュルスタの製品は無垢材のシリーズもありますが、多くのシリーズは突板を貼ったパーティクルボードまたはMDFになります。

ヒュルスタにはグループ会社の中に突板を製造している「hobb」社があります。この「hobb」では何と毎年神奈川県と同じ大きさの突板を製造しています。

これを無垢材で使用していたらあっという間に地球上の木材は無くなってしまうでしょう。このあたりもエコロジー先進国ドイツならではです。


ヒュルスタの突板技術が傑出しているポイントはいくつかあります。
例えば通常は穴が開いた状態になってしまう「節」までも綺麗にスライスしてしまうことです。

f:id:rhino-blog:20140603193059j:plain

『まさに天然の木そのものという感じです』

さらに突板を曲線で貼ったり、アルミフレームなどに貼ったりすることができるということです。

f:id:rhino-blog:20081215230209j:plain f:id:rhino-blog:20140603193100j:plain

『曲線部分に丁寧に貼られた突板』

f:id:rhino-blog:20140603193058j:plain

『フレームに貼られた突板はとても繊細な仕上り』

これらにより無垢材を削り出して加工したような仕上りに見えたり、木材で作る以上の強度を確保できたりするのです。


木は光エネルギーを使って水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を合成し、水を分解する過程で酸素を大気中に供給しています。

f:id:rhino-blog:20140114170734j:plain


私たち地球上の動物はみな、木は生きているときからとても大切なパートナーなのです。
そして伐採された木は、燃やされて熱エネルギーに変換されたり、紙になったり炭になったり、もちろん木材として家の柱や床、さらに家具などのインテリアに使われます。
ずっとずっと昔から人と木は繋がっているのです。

ヨーロッパでは昔からいいことがあると、「Touch on Wood. Knock on Wood.」という習慣があります。
これは幸運が続きますようにと、木の精霊に祈りながら、木や木製品に触れるというものです。
あなたの周りにはいざというときに触れられる木や木製品がありますか?

 

お問合せ先
hülsta planning center日本橋
interior shop RHINO creation
Web : 
http://www.rhino-creation.com/
Mail : info@rhino-creation.com
東京都中央区日本橋浜町1-12-9 日本橋浜町ビル1F
Tel.03-5829-8188


f:id:rhino-blog:20140603193103j:plain